カリスマ性 person with charisma 2005 10 7
FRB(連邦準備制度理事会)議長は、
誰がやっても、困難かもしれません。
頭がよければ、「理屈っぽい」と言われ、
決断力があれば、「蛮勇」と言われるでしょう。
現在のFRBの金融政策に不満がある人は、多数存在するでしょうが、
それでも、不満を口にしないのは、
グリーンスパン氏にカリスマ性があるからです。
大組織の頂点に立つ人は、単に頭がよいだけではダメで、
もちろん、決断力だけでもダメで、カリスマ性が必要です。
「頭脳、決断力、カリスマ性」がなければ、
大勢の人を率いることはできないのです。
「出エジプト」を成功させたモーゼのように。
もちろん、グリーンスパン氏が、議長に就任した時は、
同氏には、カリスマ性はなかったと思います。
しかし、あの当時は、現在ほど難局ではなかったのです。
たとえ話 allegorical story 2004 5
21
仏教には、「蛇縄麻」という教えがあります。
大昔は、街灯がなかったので、
日が暮れる頃には、真っ暗となります。
こうした夜道を、一人で歩いていると、
普通の人は、心細くなります。
ある人が、こうした夜道を、一人で歩いていると、
道に、何かがあると気づいて、不安げに見てみると、大きな蛇だった。
そこで、その人は恐怖に捕らわれて、逃げ出すように走り出した。
さて、次の人が、同じ道を歩いていると、
道に、何かがあると気づいて、よく見てみると、太くて長い縄だった。
どうして、こんなところに、縄が落ちているのだろうかと思った。
さらに次の人が、同じ道を歩いていると、
道に、何かがあると気づいて、よく見てみると、麻で編まれた縄だった。
この縄は、麻で作られていると分析した。
「蛇縄麻」とは、「蛇」と「縄」と「麻」のことです。
客観的に見れば、「縄」という物体があるだけです。
しかし、恐怖に捕らわれた人には、「蛇」に見え、
平静心がある人には、「縄」に見え、
知恵がある人には、「麻」で編まれた縄に見えるのです。
この話を聞いて、
「縄を、蛇と勘違いするなんて、愚かなことだ」と思うでしょう。
しかし、誰でも、同じようなことをやっているのです。
たとえば、最近(2004年5月当時)、よく話題になる「金利上昇懸念」があります。
アメリカの株式市場には、
「金利上昇」という言葉を聞いただけで、おびえてしまう人がいます。
次に、「金利上昇」という言葉を、冷静に受け止める人がいます。
さらに次に、過去の「金利上昇のパターン」を調べ、
今回の金利上昇を予測し、
それほど、金利上昇は心配することではないと判断する人がいます。
何が言いたいのかというと、
いたずらに、恐怖心に捕らわれてはいけないということです。
恐怖心を感じるならば、その恐怖を分析することです。
そうすることで、恐怖は、消えます。
このように、「恐怖心の克服」は大切なことです。